・ トスカーナ ・ シエナ南部、ヴァル・ドルチャ

 
9月末、トスカーナ南部のヴァル・ドルチャ・Val d'Orcia・
オルチャの谷 を訪れるチャンスがありました。

シエナの南に位置しますがウンブリアにも近く、
ここでワイン産地のモンテプルチャーノ・Montepulciano、
そしてモンタルチーノ・Montalcinoで、
3つのワイン醸造所も訪れる事ができましたが、

何よりも、いつも写真集で眺めていた素晴らしい風景、
それがここヴァル・ドルチャの風景である事も知りました。
秋深まりゆくトスカーナの風景、そしてワイン倉をご覧下さい。


キアンチャーノ・テルメ・Chianciano Terme という、
肝臓に大変効能ありという温泉地がありますが、
町の古い中心部から町はずれの朝の風景。

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温泉地の方は、古い町とは別に傾斜地に長く横たわり、
300ものホテルがあるそう。
現在は温泉療法への保険のチケット制度が変わり、
その半数程が閉めているそうですが、
年配者達が団体バス旅行で訪れているのをたくさん見かけましたし、
イギリス人、ドイツ人もかなりの数訪れるようです。

汽車で訪れるには、ローマからフィレンツェ行き、ICで1時間半、
Chiusi-Chianciano T 駅下車が便利な様子。




かなり山道を登った所から町の眺め。
小高い丘の上に位置し、こうして見ると、
平野に突き出す船の舳先のようにも見えます。

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一番手前、中央、そして上部と、3層に丘の色が変わりますが、
上部に横たわる丘の部分の向こうに、薄く白く、長く見えるのが
トラジメーノ湖・Trasimenoで、ウンブリア州になります。

で、この写真では見えませんが、真ん中の丘の向こうには、
右にキュージ湖・Chiusi、左にモンテプルチャーノ湖があります。




キュウジ湖のすぐ脇にあるレストランでお昼を。
パスタはピーチ・piciという、ウンブリアでもお目にかかった
太ウドンのような土地のパスタに、
湖の魚、確かティンカというガルダ湖でも食べた魚を。

キュウジ湖は大きくなく、向こう岸の小さな村が良く見えます。

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今回のトスカーナの風景で魅せられたのは、
雲の動きによる、「光と影の遊び」の面白さです。
と、ヴェネト平野の眺めと違い、
広い平野の中に展開する様々な丘のうねり でしょうか。

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モンテプルチャーノのワイン倉・カンティーナを訪問し、
これは、となりの丘に向かって広がる眺め。
なだらかな丘が幾重にも重なり、波うちながら下り、そしてまた上ります。

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ワインの等級D.O.C.G やD.O.Cに当る品は、醸造後2年間
その土地で寝かせる事が義務付けられているそうで、
ここのは、モンテプルチャーノ・ノービレと、モンテプルチャーノの赤。

手前の樽はフランス中部の樫の樹の樽で、
奥はスロヴェニア産樫の樹の樽だそう。
写真を撮り易いように電気を点けてくださったのですが、
普段は薄暗い中で静かに熟成しているワイン。

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皆さんは、葡萄が醗酵する音を聴かれた事がありますか?
今回の感激の一つ、私はここで初めて聴きました!

奥に見える背の高いタンクの中に今年収穫の葡萄が入っていて、
醗酵しているのです。

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プッ、プッ、プッ、プッと薄暗い倉の中に響く音。
沸く、とイタリア語では表現しますが、
タンクの下部の丸い蓋に触ると、暖かいのですよ!
感激でした。 こんなチャンスに感謝!




ここのワイン醸造のご主人の笑顔。 いい男さんでしょう?!
今年が32回目の葡萄摘みだったそう。
聞かせてくれた言葉がまた素敵でした。

 ワインは、太陽と土地の間に生まれる芸術であり、
 葡萄は、自分ひとりでワインになる、唯一のもの。

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ブルネッロ・Brunello というワインをご存じですか?
この言葉を口にすると、誰もが、おお!と羨望の眼差しになるワイン。
私も知らずにいて、戻って後訪問した話をすると、
皆さん、遠い眼差しになります!

そのワイン「ブルネッロ」になる、モンタルチーノの葡萄畑も訪ねました。
やはり起伏ある丘に広がっていましたが、
葡萄の房の付き方、栽培の形にまず見とれました。
ヴェネトでは見かけない房の付き方です。

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ほら、こんな風に上には葉のみで、房だけが下に下がっているのです。
こうすると、燦々と太陽を浴びてしっかり甘くなるのでしょうね。
事実粒は小さめですが、本当に甘かった!

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最初に見たモンタプルチャーノの葡萄畑では既に葡萄摘みが済み、
熟成に入っており、葡萄がどの様に栽培されているか見ませんでしたが、
ここではまだ、こんなにたわわに。

やっと、となりの畑で葡萄摘みが始まっている様子がうかがえ、
大体10月の10日頃だそうで、
もっともっと甘くなり、美味しい、強いワインが出来るのでしょう。




葡萄の幹はまだ余り太くなく、細身でしたが、
このたわわになった葡萄をご覧下さい!

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ブルネッロのワインは、普通の赤が5エウロとすると、
10エウロから50エウロもするそうで、
競売に出てくるワインなど、驚くほどの値段だそう。
(本当は、何年物が幾らになった、と聞いたのですが・・)




そして、葡萄畑の杭の下に見える闖入者の足跡。
これは猪で、重さが100キロほどもあるだろう大猪の足跡だそう。

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こちらは、カプリオーロと聞きましたが、野生の大山羊とでも。

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葡萄畑のはずれからの、谷の眺め。

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お隣のワイン醸造所の斜面に広がる畑では、葡萄摘み・ヴェンデーミアが。

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畑の畝の間に、所々見える白い点が葡萄摘みの人なのですが、
この写真の角度では、少し見えにくいですね。
       
それにしても、素敵な建物群でしょう?




キアンチャーノからだとほぼ西45キロに位置するモンタルチーノ。
道は「ヴァル・ドルチャ・オルチャの谷」と呼ばれる平野の中を
曲がりくねりながら行き、周囲を丘、山が取り囲む素晴らしい眺め!

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往きは眺めて溜息をついていましたが、帰り道はたまらなくなり、
車の中からシャッターを切り始めました!
少しピンアマですが、素晴らしさはお分かり頂けますよね?!




車を運転してくれたシニョーレがこの近辺の生まれとの事で、
それにまた大変物を良く知った方で、適切な解説もして頂き、
大変に楽しいドライブでもありました。

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絵の具にローシェンナとか、バーントシェンナーという名がありますが、
ローシェンナーとは、シエナの土の色、生の色、という意味で、
まさに色そのものの大地も見、広大なトスカーナの丘の眺めを堪能。

付け加えますと、バーントシェンナーは焼いたシエナの土の色、
つまりテッラコッタ、トスカーナで見かけるオレンジから赤の瓦の色です。




丘の起伏、広がり、点在する家、そして、光と影。
丘の稜線に見える、糸杉と松の木。
       
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こんな風景を見れた幸せ!




上の風景の右側。
曲がりくねり丘を登る道。 稜線に見える、あの家まで?

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この糸杉の丸い群れ!
この風景は写真で何度も見ながら、どこにあるのかも知らずでしたから、
目に飛び込んできた時の、興奮!

車を運転してくれたシニョーレも、この糸杉が大好きで、
写真を撮りやすいよう徐行し、ホラ!と声をかけてくれたのでした。

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この不思議な丘の色。
波打つ丘に緑色も波を打ち、隣の丘にと続きます。

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ここに見える小さな礼拝堂も、写真で何度か見ながら、
ここにある事を知りませんでした。

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出会えた嬉しさ! 自分で見れた幸せ! 知った感激!
       



この木の佇まい、涙が出そうな思いで繰り返し眺めます。
もう一度、ゆっくりと訪れたい!

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キアンチャーノから少し南にある、サルテアーノ・Sarteanoという
小さな古い町を訪れました。
こんな風に城があり、お城下の古い町は道が細く、車がやっと。
でも素敵な眺めがあちこちに。

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古い家を修復した素敵な家。
山腹に広がる町なので、建物はすべて階段状の道に沿い、
ひっそりと、静まっています。

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これは元修道院だった建物を修復した、ホテルの中庭部分。

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尼僧達が生涯引きこもりの修道院、クラウズーラといいますが、
その建物だったそうで、
修復の際、彼女達が食料を調達する為の外部との接触の通路が
見つかった、という案内をしてくれたルチーアの話でした。




2時間ほど、彼女の車でお喋りをしながら町の外を走って貰い、
彼女のデブ猫ちゃんにも会い、しっかり愛の歯形をつけられ、
こんな風景も見せて貰いました。

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ここもヴァル・ドルチャ、光と影がこんなにも緑を優しく見せます。




そして、この糸杉の道!
夕方近く、逆光で、私の位置も悪く、が、場所を知った嬉しさ!

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これは、ケッパーの花。 小さな、白い、可憐な花でした。

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一緒していた女性の話では、ケッパーは、土植えすると根がつかず、
小鳥が食べウンチと一緒に出すと、こうして石垣の間に根つくのだと!
はぁ、論理的な話ではありますね、ははは。

**
       
今回の旅は、自分で調べて行くと形ではありませんでしたが、
思いがけなくたくさんの素晴らしい風景、念願だった風景、そしてまた、

葡萄の醗酵する音、猪の足跡、ブルネッロの葡萄などなど、
感激する物にも人にもたくさん出会え、幸運でした。
 
旅の楽しさをまた知れた事に、感謝!    

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